シン・ゴジラ まるで実写版ヱヴァンゲリヲン。庵野監督の演出が光る

【あらすじ】

「ヱヴァンゲリヲン」シリーズの庵野秀明が脚本と総監督を務め、「進撃の巨人」の樋口真嗣が特技監督を担当。もはや知らぬ者はいない国産怪獣キャラクター「ゴジラ」を「ゴジラFINALWARS」以来、日本版として12年ぶりに復活させた。
舞台は現代日本。突如として東京湾に現れた謎の巨大生物。やがて上陸し、民家やビル群を破壊しながら東京の中枢に歩を進め始め…。

【見どころ】

冒頭からゴジラ上陸まで物語はテンポ良く進み、緊迫のシーンが連続していく。

ゴジラを自衛隊に攻撃させるための法手続きの問題など、様々な専門家たちが難解な知識を基に丁々発止を繰り広げ、想定外の緊急事態が発生した場合の政府の対応を垣間見ることができる。役者たちのセリフは首相官邸や危機管理センターへの取材を基に構成されているためとてもリアル。さらに情報量が膨大なため、作品を2時間で収めようと庵野監督は役者たちに早口で語るように指示している。
「総理。攻撃してもよろしいですね!」と何度も詰め寄る防衛大臣役の余貴美子は、小池百合子がモデルになっていて取材協力のクレジットも出てくる。

※ちなみに本作の公開日は2016年の7月29日(金)で、その2日後の7月31日(日)は東京都知事選の投票日。見事、女性初の知事として小池百合子が当確したタイムリー性も面白い。

この展開の速さ・緊張感は「アニメのヱヴァンゲリヲンに似てる!」と感じた人も多かったのでは?実際にアニメで使用されているBGMが流れるシーンなどは、ヱヴァのファンなら思わずニンマリしてしまうだろう。

そして最大の見どころはゴジラVS自衛隊の戦い。鎌倉から上陸してきたゴジラに対して、あらゆる武器で攻撃しても全くダメージを与えることができない。自ら攻撃をしてこなかったゴジラが蒲田、赤坂、東京駅まで辿り着き、遂に火を噴いて高層ビル群や自衛隊機を破壊し尽くす姿は手に汗握る迫力だ。
ちなみにこのアクションシーン。仮にゴジラを攻撃する場合にはどのような作戦になるのか、自衛隊を取材したうえで制作されているため、リアリティに溢れている。


【石破茂氏の見解】
元防衛大臣で自他共に認める「軍事通」の石破茂氏は「エンターテイメントな作り方をしている」と認識したうえで、法的にみると自衛隊の防衛出動はあり得ないと下記のように語っている。

「国の独立を守るのが軍隊の仕事で、そこで発動されるのが自衛権なんです。自衛権とは国の独立を守るためのものなんですが、攻撃の主体は常に国または国に準ずる組織となる。これって基本中の基本」

「だから私は、何故、ゴジラがギャーと暴れて、自衛権が行使されるのか全く分からない。」

「自衛権を行使するための三要件というのが法律で決まっています。我が国に対する国または国に準ずる組織からの急迫不正の武力攻撃があること。他に取るべき手段がないこと。その実力行使は必要最低限にとどめること。これが三要件です。映画で出てきた「防衛出動」というのは自衛権の行使に他なりません。だからこの三要件が満たされない限り、自衛隊に対して防衛出動が下令されることはあり得ません。」

「あのゴジラをどっかの国がリモコンで操っていれば、国または国に準ずる組織からの我が国に対する武力攻撃とみなせるので、自衛権の行使はまったく問題ありません。でも映画の中ではまったくその部分は描かれていません。そうすると害獣駆除で処理するしかない。イノシシとか、クマとか、そういう害獣を駆除するのと基本的には全く同じです。だからクマが爪でガーンと攻撃するのと、ゴジラが火を吐くのは一緒なんです。」
※2016年9月2日配信 日経ビジネスONLINE 石破氏「シン・ゴジラは全然、リアルじゃない」より一部引用


【記録的大ヒット】
公開初日から2016年8月1日(月)までの4日間で観客動員数71万人を突破した。これにより、1954年に公開された第1作の「ゴジラ」公開から62年、現在までに国内で計29作品が製作されたシリーズ映画「ゴジラ」の累計動員数が1億人を突破したことになる。邦画実写シリーズ作品での1億人突破は史上初。
※NHKニュース8月3日5時25分配信「「ゴジラ」シリーズ見た人1億人突破 実写映画で初」よりデータ引用


※下記の情報は2015年4月1日の製作発表時のコメントから引用

庵野秀明が監督を引き受ける決心をしたのは、今作の特技監督を務める盟友の樋口真嗣の熱意だったとのこと。2012年12月の「エヴァ:Q」の公開後、長らくうつ状態になっており、2013年1月末に東宝からゴジラの新作映画の監督を依頼されたが、当初は断っていた。

  • 【監督】庵野秀明(総監督)/樋口真嗣
  • 【出演】長谷川博己/竹野内豊/石原さとみ/高良健吾/市川実日子/余貴美子/柄本明/大杉漣
  • 【日本公開】2016年
  • 【原題】SHIN GODZILLA

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