インビクタス ライムスター宇多丸の解説が素晴らしい

【あらすじ】

アフリカの人種隔離政策であるアパルトヘイトに抵抗したことで有名なネルソン・マンデラと、南アフリカで開催されたラグビー・ワールドカップを巡る実話の映画化。

【見どころ】

監督はクリント・イーストウッド。マンデラ役を演じるのはモーガン・フリーマン。「ミリオンダラー・ベイビー」の名作コンビ再び!ということで、映画ファンなら誰もが期待するキャスティング。ネルソン・マンデラの人生を掘り下げた感動のドラマを期待していたのだが、拍子抜けするほど抑揚なく、物語は淡々と進んでいく。
マンデラの獄中での生活は描かずに、釈放後、南アフリカ初の黒人大統領に就任するところから物語は始まる。その後はラグビー代表チームのキャプテンとの交流などを描いていくのだが、盛り上がったのはラストだけ、という感想を持った人も多いのではないだろうか。
同感だと思った人には、ヒップホップ・グループの一員であり、映画評論に定評のあるライムスター宇多丸の解説を是非とも調べて読んで欲しい。今作はマンデラの生涯やラグビーでの勝利を描いているのではなく、ニヒリズムに負けないことの大切さを描いているということ。我々が日々行っている挨拶やダンスなどの「表現」は、人間のパフォーマンスを高めるためのもので、それらの表現が波紋となって周囲に伝染し、やがて大きな力を生み出し奇跡を起こす。今作はこの普遍的で大切なもの「ニヒリズムに負けずに表現を続けること」を描いている。これを意識してもう一度作品を見直すと、全く違ったイメージが浮かび上がってくる。

  • 【監督】クリント・イーストウッド
  • 【出演】モーガン・フリーマン/マット・デイモン/トニー・キゴロギ
  • 【日本公開】2010年
  • 【原題】INVICTUS

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